我が名は |
死神。 そう、誰もが恐れる、死に導く者だ。 我の影に人々は恐れ、慄き、その影を必死に振りほどこうとしている。 その、鈍く光る、「鎌」で肉体と魂の絆を断ち切り、冥途に送ってやるのが 我の仕事だ。 故に人々は恐れ慄き、我の影より逃げ惑うのだ。 しかし、人々は解っているだろうか? 我の本当の姿を・・・。 生と死を司るのは、神のみだ・・という事を。 故に我は神より与えられし、神命を果たしているだけだということを・・。 天使も死神も、元は同じ神に仕える者であった。 我も天使であったのだ。 生命の誕生には、神が使わせた天使が祝福に訪れる。 死を自覚し、穏かに魂のふるさとに帰る者にも天使が祝福に訪れる。 しかし、死を自覚しない者の心は穏かではない。 まるで漆黒の闇の中に取り残されているような魂となるのだ。 生への未練で、迷い苦しむ魂を、しかるべき場所へ導くのが 本当の我の仕事なのだ。 この世の未練で昇華できない魂を、未練という鎖を断ち切って 昇華させるのが、我の仕事の意味なのだ。 悲しい事だが、祝福された死ばかりではないのだ。 孤独に打ちひしがれた魂、諦念の持たない魂、この世への未練で がんじがらめに縛られた魂。 この不幸な魂のなんと多いことか。 浄化できない魂のなんと多いことか。 憎しみや、悲しみ、強欲、悲哀、混濁の魂のなんと多いことか。 何故人間は魂の存在を無視して、自らを傷つけることばかりするのか? 何故祝福された死を迎えずに、私の鎌の前にひれ伏すのか? 何故与えられた命を大切にしないのか? 何故魂の目的、生まれた意味にを気づこうとしないのか? 解らない・・・・・・・・・・・しかし、確実に我の仕事は増え続けている。 我はいつまで、この鎌を降り続けなければならないのだろう・・ 何時になったら人間は生と死の、その本質に気がつくのだろう。 神が与えたもうた、我が使命。 我の鎌が必要でなくなるその時まで、我はこの鈍く光る鎌を降り続けるだろう。 人々が我を呼び寄せているのは、他でもなく、自分自身の魂だということに、 気付くその時まで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
by kawasaki_ninjya
| 2006-09-14 11:03
| だらだら日記
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