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オフロードバイクと北海道の楽しい林道♪
by kawasaki_ninjya
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とある、友人の話 2
彼の相談から数日たった頃だった。

私は、その後がとても気になっていた。

自分が言った「会えよ、会えばいいだろう」という彼の背中を押す言葉とは

裏腹に感じていた「嫌な予感」が外れていて欲しい・・と思いながら。

だが、彼の方から話をしてくるまでは、こちらからはその話題にふれ

ないようにしていた。

とても、気にはなっていたが。




彼と、彼の父親とは彼が小学4年の頃に離ればなれになったそうだ。

原因は父親の「ギャンブル」

仕事はまじめにしていたらしいのだが、ギャンブル癖がひどく、

給料日に給料のすべてをギャンブルにつぎ込んでしまうことも度々あったらしい。

そのうち借金がどんどん膨らんでいって、とうとう母親が「このままではこの子

達も育てることができない」と夫との離縁に踏み切ったのだそうだ。

しかし、父親はギャンブル癖をのぞけば子供達には優しい父親であったそうだ。

彼の脳裏には「優しかった父親」と、母が常に言う「ひどい父親」と入り交じり、

好きにも、嫌いにもなれず、ただ「自分たちは捨てられた」という悲しい思いだけが

彼の心の中で澱のように降り積もっていったのだった。

父と離縁してからの生活は、大変なものだったそうだ。

あちこち親戚を頼って転々としたこともあったそうだ。

埼玉、東京、旭川、札幌と・・・

やがて母親は石狩で小さいスナックを開いた。

この店がそこそこ繁盛し、生活は安定、そのまま石狩に定住することとなったのだという。

しかし、生活は安定していても、学校から帰ってくると母は仕事に出かけてしまう。

夜通し、兄弟二人で寂しい思いをしていたそうだ。

ある時は、まだ小さい弟が夜中に熱を出し、母へ電話してみるも、かなり泥水状態で話にならず、

仕方なく弟を背負って数キロ離れた親戚のうちまで走っていった事もあったらしい。

「俺、親父とキャッチボールとかしたことないんすよ」

彼がたまにこぼしていた言葉からは、父親への深い愛情を、

父親がいる生活への憧れの気持ちを痛い程感じてとれた。

だからこそ、彼は会おうと思ったのだろう。

不安や、入り交じる様々な感情を感じながら、「棄てられた」という悲しい感情を押さえながら。



そんな彼が極端に元気無くうなだれるように私の元へ来て、

「ninjyaさん・・・・聞いてくださいよ・・・サイテーですよ・・マジで・・最悪です・・」

と彼が語りかけてきた。

「どうしたんだ?何があった?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なんだ?親父をおもっきり殴ってやったのか?」

「・・・・・・・いえ・・・殴る価値もないですよ、、、あんな奴・・」

「いったいどうした?俺ぁ気になってたんだよ?前からさ」

「あれから会ったんですよ・・親父と・・」

彼は、苦々しいものを吐き捨てるように話しだした。

<続く>
by kawasaki_ninjya | 2007-05-23 14:21 | まじめなお話
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