人気ブログランキング | 話題のタグを見る
(^_^)enduro

オフロードバイクと北海道の楽しい林道♪
by kawasaki_ninjya
coolwater
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
リンク集 
ツイッター&翻訳
以前の記事
フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


障害と犬
先日の話。

私の友人に障害を持つ人たちの学校に勤める教員がいる。

障害といっても様々で身体障害や、知的障害と様々である。

私の友人は、知的障害の人たちの学校教員である。

体力だけは負けん!と学生の頃豪語していた彼ですら、

日々やつれて、すっかり細くなっている。

いかに大変な仕事なのかがよくわかる。

決して、ただ「ボランティア精神」だけではやっていけない仕事だろうと想像にたやすい。

私は、その学校の担当でもあるので、ちょくちょく顔をだしては営業をする。

その学校へ訪問するたびに思うことは、知的障害をもつ人はとても純粋であるということ。

純粋すぎるが故に、問題もあろうが、少なくとも彼らと交わす挨拶は、笑顔に満ちている。

そんなある日、私の友人でもある T先生から相談を受けた。


「あのさ・・忍者君の知り合いで誰か犬がほしいって人いないかな・・?」

「犬?犬なんかどしたの?」

「いや、それがさ・・生徒の親から頼まれてさ・・・」

「ああ!そっか。解かった。その親御さん、子犬が一杯生まれたから困ってるんでしょ?(笑)」

「・・・・・いや・・・子犬じゃないんだ・・・」

「・・・・・・・は?子犬じゃない??どーいうこと??」

「2才になる・・・もう、成犬なんだよね・・・」

「・・そんな成犬って・・どういうこと?」

「それが・・・・・・・」

私は彼の話を聞きながらとても腹立たしく思っていた。

犬の種類はレトリバーという大型犬らしい。

どうやら、引越しをするために犬を手放したい・・ということらしい。

まだ話を詳しく聞く前から非常に不快に思っていた。

「どうせ、ペットとして子犬を飼ったのに、大きくなって大変だからって捨てるんだろ?最悪だ!」

「まろくに世話なんかもしてないんだろ?どうせそういう奴らなんだろ?」

と、勝手にタカをくくっていたのである。

だが・・・・・・・・・

話を深く聞くにつれ、その想像も変化していった。

世話も手入れもキチンとやっていたらしい。

虚勢手術もし、しつけも行き届いている・・と。

人にいじめられたことがない犬は、とても人懐っこくなるのである。

その犬がまさに人懐っこすぎて番犬にならないぐらいだそうだ。

しかし・・・である。

そこまで可愛がっていた犬なのに引越し先に何故に連れて行かないのか?
それはあまりに自分勝手なのではないか?

そう思っていた。

だが・・・今の社会情勢が、その家庭にも暗く影を落としていた。

やむにやまれず・・・・・そんな状況であった。

障害を持った両親の苦渋の決断・・という奴であった。

その、親たちは、今必死になって里親を捜して歩いているそうである。

T先生もその状況を痛ましく想い、心当たりを聞いて回っているのだという。

犬には罪はまったくない。まったくないが、確かにこのままでは犬も家族も不幸になるだろう。

早く大事にしてくれる里親を探したほうがいいだろう。


障害と犬_e0022736_1922789.jpg


「だけどね・・・・・」とT先生は言う。

  「その犬、生徒にすっごくなついていて、その生徒もすっごい可愛がってるんだよ。
   
   絵も描いて提出するぐらいなんだ・・・。

   そんな大事な犬・・いや、友達っていってもいいかもしれないな。

   その友達がイキナリ居なくなったら・・生徒が心配なんだ・・・」


知的障害を負ったその生徒が一心に信頼し、愛している最愛の友。

それを引き裂くのは、親の都合と、社会情勢・・・・・。

T先生は続けて言う。

 「だから・・いつでもその犬にあわせてもらえるような、そんな良い里親さんを探してるんだ・・」

いつでも会いにいけるのなら・・少しはいいかもしれない。

少しは、その少年の心のケアもできるかもしれない。

障害と犬_e0022736_1933790.jpg



犬は、飼い主が障害をもっていようとも、貧しかろうとも一途に慕ってくる。

決して差別などしない。

しかし残念ながら、この社会は弱者にはとても厳しい。歴然と差別もある。

奇麗事をいっても、それが現実である。

切ない、そして、殺伐とした現実である。

だが、その中でも必死に助けよう、なんとかしようとして動いてくれる人も居る

それが唯一の救いなのかもしれない。

私は、この少年と、犬が幸せで居てくれることを願ってやまない。
by kawasaki_ninjya | 2010-01-22 15:54 | まじめなお話
<< とある独り言。 明けましておめでとうございます >>